ふくろくん

コンテンツマーケティング、音楽、立ち話、そして牛乳

手紙はたのしい。すみれノオト 第41号を読んで。

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先日たまたま寄ったジュンク堂のリトルプレスコーナーで見つけた『すみれノオト』。

こんなに優しい本に出会ったのは人生で初めてでした。
 
「手紙が書きたくなったら、お手紙セットを詰めたお気に入りの箱を持ってカフェに出かけよう。」と表紙のコピー。
 
「女子っぽいなあ...」という偏見がふっと浮かんだ反面、実はわくわくときめいていました。しかしタイミングが本当によかったのです。ちょうど文通を始めたばかりだったので、迷わず手に取ってレジへと向かいました。
 
装丁も気になってしょうがなかったのです。ジュンク堂の店員さんがわざわざ包装の上に白マーカーに手書きをして、付録の便箋封筒をアピールしています。

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ぱっと見だと、『手紙を書きたくなったら、』号なのかなと思ってしまうデザイン。句読点も入れてるので、残りの文字に目がいってしまう。

 

手紙たちとエッセイ

この本には、与謝野晶子や編集者の家族など、様々な人の手紙の抜粋が載っています。
 
特に自分の胸を打ったのは、岡本太朗の母親、岡本かの子の手紙。
 
「母親としては不出来だったけど、親と子という枠に収まらない、人間対人間の関係を作れた」と岡本太郎は言っているようなのですが、手紙を読んでみるとすごく茶目っ気があって、ふわふわした文章なんですけど、物凄く母性を感じられる内容でした。
 
母のかの子の手紙は、息子の太郎への深い愛を綴っていました。
 
将来の息子の結婚相手と会う時に、母親がみすぼらしい格好をして、教養のないとんちかんなことばかり言って息子がみじめな気持ちにならないように、美容に気を使ったり教養を学びたい、また、いつかの嫁のために素敵な着物を買ってやりたいからお金を貯めたい、と真摯に文章で訴えています。
(ただ、「お金を貯めたいから私の下手な詩を買ってください」という文はなかなか強烈でした...)

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万年筆による手書き文字と、本物の外国切手もついてるこのレア感...ちなみに他のサンプルを見たら、別の切手が貼られていた。

 
手紙そのものだけでなく、発行人である早川さんの手紙の解説もあります。岡本かの子の手紙に関するコメントで、手紙でしかできないことが書かれていました。わかってはいたけど、忘れがちなのがもったいないコミュニケーションのあり方だと思いました。
たった一人に宛てて書かれ、世界にたった一通のオリジナル、それが手紙。同時多発というわけにはいかないのだ。こんなスペシャルなことってあるのだろうか。かの子の手紙を読んでそう思った。

 

また、早川さんのエッセイも随所に載っていて、p.30の「ペンを持って街に出よう。」からは、早川さんの熱い手紙愛が語られています。
 
手紙を書くのにぴったりな「お手紙カフェ」の紹介、こだわりの万年筆とインク、レターセットのお手軽な入手方法、封印シール代わりに切手を使うと良い、などなど細かなポイントが列挙。
 
小さなモノへの愛が随所にちりばめられているので、自分の中の物欲に眩しい光を浴びせてきます。
 

ふろくは便箋封筒

プチ原稿用紙1枚と、エッフェルタワーの手作りハンコがついた封筒がついています。

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発行人・編集者の早川茉莉さん

『すみれノオト』を作られた早川茉莉さんは、京都にお住いのフリーライター兼編集者。

 

早川さんのインタビューを読んでみて、半永久に残り続けるウェブコンテンツ・メディアと部数という限りのある紙媒体の違いを感じられることばが印象的でした。

まあ売り切れたらその日は終わりという和菓子やさんのようなものというか。

keibunsha.sakura.ne.jp

 

ちなみに、先日三森さん(id:yuki3mori)に教えてもらった『玉子ふわふわ』を編集された方だったようです。また、早川さん自身が、森鴎外の娘、森茉莉さんに憧れがあるようで、『森茉莉かぶれ』という作品を出されています。自分がいまちょうど、森茉莉さんの『貧乏サヴァラン』を読んでいたので、そういう意味でも良い偶然でした。


早川さんのブログ
 
Atelier. Sumire. Gingetsu
 

どこで手に入る?

残念ながらこの雑誌、amazonでは手に入りません。リトルプレス系の雑誌を取り扱うお店で置かれているようです。一部webショップなどでも買えるみたいですね。
 

余談:手紙の楽しみ

私事ですが、文通を最近始めたと書きました。

streamlines.hatenablog.jp

まずはこちらから手紙を送りました。
下書きをして、推敲して、清書したんですが、思ったより体力的に来るものがあり、使う脳みそも筋肉もブログを書くこととは大きく違うようです。
 
そして、昨日ちょうどお返事の手紙を読みました。
気づいたのは、どんな内容であれ、それはもうかなり嬉しい、フフフと声を出してニヤけてしまうくらいに特別な体験だと思えます。
そのときのつぶやき↓

 
あと、特別感を増やす要素として、一字一句手書きで刻まれた字のかたちから、書き手の想いの強さが表現されていることがあります。字の大きさや、濃さ、鋭さ、間隔など、見えるものがいっぱいです。
 
それに、間違えて変になった漢字を訂正した注釈が入っていたり、と思ったら二重線で掻き消して、申し訳程度に正しい字を付け直しているものもあったり。
 
そういう「生きた字」を読んでいると、どんな気持ちで書いてたんだろうか、と妙な想像をする楽しみが出てきます。デジタルでは、そういった表現方法は出来ないです。
 
ちなみに、文通相手は「もう半年くらいは手紙書かなくてもいいや...」と冗談交じりに言っていましたが、気の毒ながらもスペシャルな感じを大事に続けてもらいたいものです。
 
他にも手紙の本をいくつか買いました。最近では『三島由紀夫のレター教室』、『12人の手紙(井上ひさし)』を読みました。感想はまたまとめようと思います。
 
では!
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