目黒川の桜は猫
新しいアカウントを作りたくなる時期ですね
オフトゥン・ウドゥン問題
このまえTLに流れてきたつぶやきを見て非常に感心をいたしまして。
昔からの友人から、ラカンの「ララング」という概念を聞いた。ララングとは端的に言えば、伝えることを放棄した、まさに発すること自体が快楽である言語活動。言語芸術がもっとララング的になれば、もっと言語が生き生きとしてくるのに。もっと瑞々しくなるのに。
— Yuka Yoshida (@yoshida_orfeu) 2016年3月23日
自分のつぶやきってララングなもの多いなあと思って。
それこそ会話、伝達コミュニケーションの最中にも「語感が良いから」というだけで、意味もなくそれっぽい単語を入れ込んでしまったり。
コミュニケーションの放棄。
この前、全然ネットをしない人に対して「オフトゥン」という言葉を使ってしまって、由来を説明した。それ以来その人の口から「オフトゥン」が頻発することになり、激しく後悔をしている。公共の場におけるララングは辱めの温床になる。昇華せよ。
「ウドゥン」も「オウドゥン」にすべきか迷う時がある。
そして讃岐か稲庭か、はたまた富士そばか。
好みが別れるところだが、最近のマイブームは小諸そばの香味ゆず胡椒のざる大盛りであるのだ。
今年の終わりに自分はどこにいるだろう
私の好きな作品はあなた - The Art Teacher, Rufus Wainwright
J. M. W. Turner - Wikipedia, the free encyclopedia
昨日、ルーファス・ウェインライトというアーティストの曲の話をしていて、「良い話だ」と言われて「ほえー、“良い”話になるのか」と不思議に思いましたので、さらりと。
話していたのは、『The Art Teacher』(美術教師)という曲です。
この物語は女性(生徒)の視点から語られます。学生時代に出会った若い美術教師に対して恋心を抱くお話です。
ある日、その若い先生は生徒たちをニューヨークのメトロポリタン美術館に連れて行ったそうです。
館内で、先生が生徒に聞くのです。
「皆さんの好きな作品はどれですか?」
そこで生徒はめいめい好きな芸術家の作品を答えていくのでしょう。
しかしその女生徒はこんな風に考えていました。
「私の好きな作品は"あなた"です」
実際は口に出してそんなことは言えなかったので、代わりに女生徒は、先生の好きな作品を尋ねます。
そして先生はこう答えます。
「ターナーの作品が好きなんです」
J. M. W. Turner - Wikipedia, the free encyclopedia
それから長い時間が経ち、結局その女性はどこかの会社の社長と結婚をしてしまいます。
昔のように学生時代の制服ではなく、バリバリキャリアウーマンなスーツを着こなして、華やかな人生を送っているようです。
それでも、その若い美術教師のことを思い続け、自分に対してか、彼に対してか言葉を唱え続けます。(歌ではここがサビになります)
「あの頃から今まで、あなた以外の男を愛したことはない」
その言葉の証明なのか、それともよりどころなのか、その女性はターナーの作品をひとつ、手元に持っていたそうな...…
...というお話。めでたしめでたし…?
作曲したルーファスによると、この物語は反物欲主義の話...「金と愛」の話らしいです。年をとるとわかるであろう大人なテーマ…
どちらかに比重を置いた答えがある物語でもなさそうですけど、他人に話すと色んな感想が聞けそうですね。
音楽としても儚げ&ミステリアスで好きです。
Rufus Wainwright - The art teacher (Tiny Desk Concert)
(自分が好きな芸術家を見つけることができた曲でもあるのでお気に入りです)